共働の風

一昨年来、秘密保護法、安保関連法、そして本年の共謀罪法、とかつて軍国主義・戦時体制の土台や支柱を形成してきた悪法の現代版が並び揃ってしまいました。「戦争の時代」にまた大きく歩を進めてしまった危機感に、胸が苦しい夏です。

不況と失業と貧富の格差とが民の心を脅かすときに、ナショナリズム(国家主義)が台頭し、全体主義が首をもたげる事を、歴史は繰り返し証言しています。ドイツの元大統領ワイツゼッカー氏(故人)が「歴史に学ばない者は愚かであり、過ちを繰り返す」と語り、ドイツ国家の戦争責任を自覚することは、ヨーロッパやユダヤ人のみならず、歴史に対する半永久的なテーマであり、ドイツ自身にとっての生命線であることを明言しました。

「歴史に学ぶ」とは、歴史の過ちや、その罪や悪の構造に人間が巻き込まれた事実を決して侮らないことだと思います。人間は弱いのです。ストレスやフラストレーションが溜まるとき、敵か味方かと二元論的になり、闘争的になり、暴力的になり、精神論的になり、単純思考に陥り、集団行動的になる。そのような傾向を人間はどうしようもなく持っているのではないでしょうか。その人間的傾向を吟味しチェックするために私たちは繰り返し歴史に学び、「人間」や「人間性」を常に聖書から問われていなければなりません。聖書を学ぶことと歴史に学ぶことは切り離されてはならないのです。
(常務理事 吉髙叶)